

これまで日本における大学院教育では,プレゼンテーションや報告書作成等の実地型・実践型の教育が重視されていなかったように見受けられます。応用情報技術分野の実務家育成を目的とする本学では,アメリカのプロフェッショナルスクールにおける教育方法を取り入れ,授業は原則として「講義形式」,「ケーススタディ(事例研究)」,「プロジェクト(現地調査・討論)」,「実習形式」の四つの要素で構成します。発表や討論,プロジェクトを通じ,リーダーシップや創造性を発揮する機会を多数設けている点が,大きな特色です。
グローバル化が進む中,今日のITプロフェッショナルズは国際的な視野を持つことが必須です。また,IT(ICT)分野の最新の情報を得るためには英語の読解能力が必要です。本学では多くの科目で英語の教科書・参考文献を使用し,例題等にも英語原文を多用します。中には英語で講義を行う科目もありますが,英会話よりも読解・作文に重点を置き,辞書等を活用しながら読み書きする力を養うことを目的としています。
ITコア科目群は,ACM(Association for Computing Machinery)のWeb-Centricモデルを参考にしたもので,システム設計,データベース,ウェブ・ネットワーク,プログラミング等,ウェブビジネスを支える基幹技術を深く体系的に修得するための基本科目と,「ネットワーク最適化論」,「情報セキュリティ/PKI」,「ソフトウェア工学特論」,「システム理論特論」,「ビジュアル・プロセッシング」,「データマイニングの基礎理論」等の理論系の応用科目によって構成されます。
ウェブビジネスコア科目群は,経営の専門知識とウェブビジネスに関する多様な五つのグループ,①経営環境・ビジネス戦略,②コンテンツ開発,③経営管理,④プロジェクトマネジメント,⑤教育から構成されます。
リーダーとなる人材を育成するために,経営系の科目のほか,企業内教育の観点に基づき,教育学の知見を取り入れた科目を開講している点が大きな特色です。また,近年重視されているコンテンツ開発に関する科目も開講しています。
キャリア強化科目群は,プロジェクトを企画・遂行する能力を育成する科目群であり,高度専門職業人を育成する専門職大学院である本学特有の科目群です。プロジェクト遂行過程において,高い技術力をベースに持ち,複眼視的な思考力,柔軟かつ適確な判断力,リーダーシップ等を身につけた,創造性豊かな人材を育成します。
これは,米国のプロフェッショナルスクールにおけるClinical Study,あるいはClinical Project(臨床プロジェクト)に該当します。これら臨床プロジェクトでは,一般的に,通常の講義を受講しながら,講義担当の教授の許可を得て,その科目の関連分野において自分のプロジェクトを実行します。
本学の「キャリア強化科目」では,一年次から段階的に,実践で必要となる基礎知識を修得し,専門知識を深め,二年次に,それまでに修得した知識の集大成ともいえる課程修了プロジェクトに取り組みます。課程修了プロジェクトは,学位授与において,従来の研究大学院における修士論文と同等の意義を有します。修了するためには,学生は(1)論文作成,(2)ビジネスモデル構築・システム開発プロジェクトのいずれかの課題に取り組むことになります。「キャリア強化科目」を通じて,産業界において直ちに必要となる,個々の高度アプリケーション技術を含む,ビジネスモデル構築,システム設計・開発等の能力を育成します。