
インターネットを用いた通販市場が,デパートやコンビニなどの市場規模を超えたというニュースが伝えられてから既に数年が経ちます。年間ばく大な金額の取引がなされ,企業は電子商取引へ力を入れていますが,そこで重要度が高まっているのがアニメです。
インターネットでの広告は,動画による説明や商品イメージを伝えるプロモーションビデオ,商品に好きな色を使った場合のシミュレーション,CGによりモデル化された商品を様々な角度から見るなど,テレビCMや雑誌・新聞といった紙媒体では不可能であったことが可能になり,いかにしてユーザーを魅了するかがこれまで以上に重要性を増してきています。このような表現を,アニメーションを用いて,より魅力的に表現する手法が,最近のウェブサイトには数多く見られます。
また商品とのファーストコンタクトにおいても,インターネットの映像配信サイトでアニメを放映し,商品をイメージする内容のストーリーを展開するなど,新規購買層の開拓として若い人に興味を持たせる戦略をとる企業もあります。
サイトに訪問者を引き止める魅力的なアニメを製作することも重要です。さらに商品説明のためのインストラクショナル・アニメーション,CGによるインタラクティブなモデル,ウェブサイトのインターフェイスなど,アニメーション技術やアニメによって伝えられるメッセージは人の感性に訴えることができ,言葉や文字だけでは伝えきれないものがあります。それ故その企画や表現技術・手法は,商品や関連サイトの魅力作りには欠かせないものになってきています。
アナログ的な作業が中心だと思われていたアニメの製作には,もはやコンピュータが欠かせないツールとなってきており,その製作課程は高度に分業化されています。部署間でのデータのやりとり,コンセプトや絵の確認作業などICTの力を発揮する場面が多くあります。前述のように様々なサイトにおいてアニメは活用され,戦略的にも重要性が高まっております。このような背景から本学ではアニメをビジネスの観点からとらえ,アニメとICTの融合によってさらなるインターネットの可能性を探るべく,アニメコースを新設しました。
経験豊富な教授陣による実際のアニメスタジオの戦略や,ビジネスモデルの研究,アニメ企画の創出といった広告戦略の上流から(アニメ企画・製作プロモーション特論),実際のコンテンツ作成やインターフェイス設計(リッチメディアコンテンツ開発),アニメの設計(シナリオ・ストーリーボーディング),商品説明(インストラクショナル・アニメーション開発)などの講義により,インターネットを軸にアニメを使用した広告戦略,サイト構築のための幅広い知識と実践力を身につけることができます。
「新世紀エヴァンゲリオン」の
ガイナックス社取締役・武田教授が指導
「日本のアニメとICT」。KCGIでは2011年度に新設した「アニメコース」で,この組み合わせによる新しいマーケットやビジネスモデルの創出を探ります。「アニメ企画・製作プロモーション特論」を担当するのは武田康廣教授。武田教授は『新世紀エヴァンゲリオン』でおなじみの株式会社ガイナックスの設立に携わり,現在は同社の取締役アニメーション製作本部本部長を務めています。アニメーションプロデューサーとしてゲーム『新世紀エヴァンゲリオン~鋼鉄のガールフレンド』をはじめ, 『トップをねらえ2』や『アベノ橋魔法☆商店街』, 『はなまる幼稚園』など多数の作品を手掛けています。
※「アニメ企画・製作プロモーション特論」では,日本のアニメ業界におけるビジネス,技術,製作フロー,海外戦略などを学ぶとともに,実際にアニメ映画製作に取り組みます。