次世代産業コース

さまざまな業界の情報化をリードする人材を育成する

急がれる医療・農業・海洋・観光などのIT化
先端的な応用事例とその要素技術を深く知る現場の問題点から始まる学び

ITの進展により,われわれの生活は大きく変化しました。今日の豊かな社会を歴史的な変遷に照らして見てみると,「農業の時代」から「工業の時代」へ,そして「情報・知識の時代」の到来へとつながります。「農業の時代」では,土地をもとに作物を生産・販売することを社会の基本としてきました。18世紀の産業革命により「工業の時代」が幕を開けると,資本設備をもとにモノを製造・流通させることが社会の基本となりました。そして昨今の「情報・知識の時代」では,情報システムをもとに知的財産やさまざまな知恵,ノウハウを創造して共有し,それを活用する社会が基本となりつつあります。

「情報・知識の時代」が訪れはしましたが,豊かな生活を支える農業や漁業,水産業など第一次産業はより注目を浴びるようになり,レジャーも含めた海洋,それに医療や福祉などはITを活用した新たな活路を見出し始めています。ただ,それぞれの現場では技術者が不足し,人材を求めています。

このような現状を受け,産業界の情報化をリードする人材育成に向け,本学は次世代産業コースを2016年4月に開設し,医療や農業,海洋,観光などの分野のITについて深く学びます。

医療健康ITプログラム

医療分野では,医療事務システム,オーダリングシステム,電子カルテシステム画像診断などにおいてIT化が急速に進んでいます。また,個々の患者の治療のみに利用されていた治療データや医療機器データを集約しビッグデータ化して分析することによって感染症予防や最適な治療計画を策定したり,インターネット上の医療に関する語句を分析して感染症の予測・予防などに役立てるなどIT(ICT)の応用も拡大しています。

このように,高度なIT(ICT)能力を医療分野に応用できる人材が求められています。

対象者例

高度にICT化される医療機関において,医療分野全般の知識と情報システム分野の知識や技術を修得した医療情報システムの開発者,エンジニアを目指す方。

農業ITプログラム

第一次産業である農業は,人間の生活に欠かせない日本を支える産業であるにもかかわらず,後継者不足による高齢化や,TPP(環太平洋経済協定)の参加にともなう輸入自由化などにより,決して明るい状況とはいえません。しかし,その現状を打破する大いなる可能性を秘めた存在がITです。ITを取り入れた農業の代表例として「野菜工場」とも呼ばれる植物工場があります。ITによって光や温度,湿度などを完全にコントロールし,計画的にレタスやトマトなどが生産されています。一方,屋外の伝統的な農業分野にもITが活用され,その例として農作業の効率化や情報の自動収集によりノウハウを伝承するソリューションや,農家の営農を支援するクラウドサービスなどが挙げられます。野菜の生産・流通・消費の変革にも,ITが深く関わっています。自然の恵みに頼る産業だけに,ITはもっとも縁遠いと思われてきましたが,じわじわと導入が進んでいます。2020年の農業IT化市場は13年と比べ約9倍の600億円程度にまで成長するという調査結果もあるほどです。魅力ある農業へ転換するためには,IT活用がカギを握っているといえるでしょう。本プログラムでは,次代の農業IT化を先導する人材を育成します。

対象者例

産地からの環境データを収集し,蓄積して分析できるスキルを身につけたい方。

生産者のノウハウをモデル化・可視化し,環境制御や後継者教育に活かせるような知識・スキルを有するリーダーを目指す方。

生産者と消費者とをWebで結ぶ(産直支援=CRM)システムの構築スキルを身につけたい方。

海洋ITプログラム

国内外の漁船で活用されるスキャニングソナーの映像表示例(左),プレジャーボート向けの最新型マルチファンクションディスプレイ(右)(古野電気株式会社提供)

海洋・水産の発展に向け,ITを活用して航海の安全性を高めたり,効率的で持続的な漁業実現のため,人工衛星を活用したトレーサビリティ機能を持つ海洋の資源と環境に関するデータ収集システム導入などが模索されています。さらには,船舶の省エネ,安全運行,温室効果ガス削減,海洋汚染防止,海洋自然エネルギー利用などに向けた船舶のIT化も迫られています。これら海洋ITをリードする人材を育成します。

対象者例

産地からの環境データを収集し,蓄積して分析できるスキルを身につけたい方。

生産者のノウハウをモデル化・可視化し,環境制御や後継者教育に活かせるような知識・スキルを有するリーダーを目指す方。

生産者と消費者とをWebで結ぶ(産直支援=CRM)システムの構築スキルを身につけたい方。

KCGグループと船舶用電子機器など製造販売大手の古野電気株式会社とは,2015年1月に産学連携協定を締結し,海洋IT分野での学術交流,協力関係を構築しています。

観光ITプログラム

近年,政府の観光振興策などの影響で,海外からの訪日観光客が急増しており,2015年は過去最高の1973万7千人に昇りました(日本政府観光局調べ)。特に本学のキャンパスがある京都,東京,札幌は,いずれも観光客からの人気が高く,特に観光サービスに対するニーズや課題を身近に感じられる環境にあります。

そのメリットを活かし,本学では主として留学生を対象に,ICTを応用した新しい観光サービスや観光ビジネスモデルについて学ぶプログラムを開始します。多言語・マルチメディアでの観光情報の提供,観光客の行動履歴の情報化と分析・予測など,現実的な課題解決に取り組みます。

対象者例

観光ビジネスの企画・システム開発・ビッグデータ活用などのエンジニアを目指す方。

観光サービスのマネジメントをICTで効率化するスキルを身につけたい方。