現在の私の主要な専門分野はデータベース/データウェアハウスに関連した情報技術です。この分野に興味を持ち始めたのは,もう三十数年前になりますが,学術情報の組織化に関する国家プロジェクトに参加し,天体データの蓄積管理の部分を担当したときです。これは,世界中で蓄積されている膨大な量の天体データを管理運用するための国際ネットワークの構築事業に参加し,日本でのデータセンターを作ろうとするものでした。当時は現在では広く普及しているリレーショナルデータベース(関係型データベース)の技術が提案されてはいましたが,まだ実験の段階でしかなかった時代です。それでも階層型,ネットワーク型のデータベース技術に関しては多くの発展があり,データセンターのシステム設計では様々な試みを行って,国際ネットワークの一端を担うことができました。その次のプロジェクトとして,図書館情報システムの研究がありました。当時,日本では漢字のコンピュータ化がやっとできるようになった頃で,それに基づく図書館情報システムの先駆ともいうべきものでした。これは,当時のデータベース諸技術を結集したものでした。
現在のデータベース技術は当時に比べ格段に進歩しています。これはハードウェアの高速化・大容量化に加え,ソフトウェア技術も非常に高レベルになったからです。データベース自体も格段に大型化し,データウェアハウスという技術も登場しました。ウェブ技術の進展とあいまって今後のデータベース/データウェアハウス技術はますます高度化し,情報技術の中核技術となってきます。これからの発展が楽しみです。
今後の技術者に要求されるのは,「柔軟性」と「グローバルな視点」だと考えます。技術は文字通り秒進分歩で変革しており,それに柔軟に対応していかねばなりません。また,産業構造の急速な変化にも臨機応変に対応していかねばなりません。さらに,技術は一つの国,地域だけで閉じるものではありません。言葉・文化と密接に絡まって技術の複雑なグローバル化現象が起こっています。これからの技術者は狭い社会に閉じこもっていては発展が望めません。グローバルな視点で社会を観察し,グローバルな行動基準を持つことが不可欠です。京都情報大学院大学ではこれが実現できます。