
産業界が実務の視点において人材に求める専門知識は,必ずしも既存の大学の専門学科の内容と整合していない。現行の各専門分野間のいち早いシームレス化が要請されたが,大学においては各学部各学科間の壁が厚く,難航した。
ところで,「情報」という巨大概念は,文科・理科を問わず様々な分野に展開する。従来の専門分野の融合領域・境界領域にIT時代の専門分野が横たわるのであり,現在の大学が有効に機能しないのは,大学における現行の専門分化システムが情報化時代における社会ニーズに適合しなくなってきているからともいえる。
我々は,本学設立に際して,IT時代が要求する専門領域は,既存の大学の専門学科と対応しないため,従来のいくつかの専門分野を「情報」という視点で再編成し,“業界オリエンテッド”を重視して,新しくできた融合領域・境界領域に,新たな専門学科を全く新しいカリキュラムにおいて設立する。
ITによる経済復興のために,業界が最も求める人材として,ビジネス・エンジニアとプロジェクト・マネージャーが挙げられているが,いずれも二つ以上の専門領域にわたるプロフェッショナルズである。融合領域に新時代の専門を確立し,業界のニーズにかなった人材を送り出すことは目下の急務である。
現在の「革新競争」の時代は,すばやく変化して新しいコンセプトを生み出す能力が問われる時代であり,ボトム・アップの力学において,社会のニーズを先取りすることは,メガコンペティションの覇者になるベースの条件である。
かかる時代,教育においても従来のアカデミックデシプリンの固定概念にとらわれず,社会のニーズに対応した教育領域を,即座に構築し,即座に実現することが肝要である。
進歩の速い情報関連の教育機関として我々は「革新性」と「先駆性」を教育構築の核心としたい。