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人工知能

人工知能専門分野を新設!

実社会での人工知能技術の多様な利活用ができる人材を養成

概要

人工知能は,20世紀半ばから注目されてきた情報科学の主要分野のひとつです。21世紀に入った頃から,深層学習理論が飛躍的に進展してきたこと,インターネットを通してビッグデータの取得が容易になってきたこと,マイクロプロセッサをはじめとするコンピュータシステムの高速化・大容量化が一層加速したことなどが相俟って,人工知能は社会を大きく変革する基盤技術となりました。自然言語理解,音声認識,画像処理を中核技術として,人工知能の応用分野の対象範囲は広がる一方です。自動翻訳,自動車の自動運転,医療情報処理,介護サービス等のロボット,eスポーツ,さらには企業戦略の立案,新しい農業経営,その他様々なビジネスへの活用等,枚挙にいとまがありません。本学が設置する人工知能専門分野では,人工知能および関連技術の基礎理論を学び,人工知能応用分野でそれらがどのように活かされているのかを実例を通して理解し,その上で多くの人工知能関連ソフトウェアに習熟して人工知能技術を利活用できる専門家を目指します。また,人工知能応用ソフトウェアの開発をも担える高度な技術者の育成プログラムも準備しています。

目指す人材像

  • 来るべき人工知能社会を「生きる力」を備えた人材
  • 様々な分野で人工知能技術を利活用できる人材

マスタープロジェクト担当教員の声

富田眞治教授

人工知能にとって数学などの基礎理論が重要だ,人工知能にとって重要なのは1にも2にも3にも数学だ,などと言われる昨今です。一方で数学というとそれだけで嫌気がさしてしまう学生も多く,おいしい果実があるのに,食わず嫌いで終わってしまうのはどう見てももったいないと言えます。2045年には人工知能が人間にとって代わるシンギュラリティを起こす,などとはとても思えませんが,人工知能が大きく社会を変革していくことは間違いのない事実だと思います。人工知能社会を「生きる力」を蓄えておく必要があります。必要に応じて基礎理論を勉強し,理解した後は,基礎理論は忘れてもいいので,まずは人工知能の技術に触れてみる必要があるでしょう。

マスタープロジェクト担当教員の声

今井正治教授

Industry 4.0, Society 5.0を実現し,人間中心の社会を構築していくためには,人工知能,IoT,ビッグデータ解析の3つの技術が必要不可欠です。特に人工知能がこれからのビジネスの中でも普段の生活の中でも人間のアシスタントとして重要な役割を果たす社会になると思います。そこで皆さんには,様々な課題を解決する人工知能を使いこなす力や人工知能を用いた応用プログラムを開発する力を身につけてほしいと思います。Pythonは人工知能だけでなく,IoTやビッグデータ解析の分野でも最も良く使われているプログラミング言語です。そこで皆さんには人工知能を使いこなすための道具としてPythonをしっかり学習してほしいと思います。

学習者のレベルに応じた科目と履修の例

【第1セメスタ】
人工知能利活用の基礎知識および基礎技術の修得

コンピュータプログラミング(Python)
深層学習などによる人工知能応用ソフトウェアを利活用するために,現在,Pythonというプログラミング言語が普及しており,ライブラリーも充実しています。このPythonの基本的なプログラミング技術を学ぶとともに,複雑なデータ構造の記述や処理のできるC言語やJavaというプログラミング言語の基本についても学びます。
人工知能概論
これまでに研究開発されてきた様々な人工知能理論や技術を紹介するとともに,現在それらがどのような分野においていかに適用されているのか概説します。また,人工知能社会における倫理についても触れ,将来展望も考察していきます。

【第2セメスタ】
人工知能理論,応用ソフトウェアによる人工知能活用の学修

機械学習
機械学習の基本技術である,獲得できる情報量が最大になるよう概念形成する「概念学習」,生命の進化過程や社会性昆虫の行動を模した「進化的計算手法」,脳の神経細胞による情報処理を模した「3層ニューラルネットワークとそれを発展させた深層学習」について概説します。
組合せ最適化
第1セメスタのアルゴリズム概論を一層高度化した内容になっており,巡回セールスマン問題(多数の都市とそれらを結ぶ道路があった場合に,各都市を最短距離で1回のみ訪問する経路を見つける問題)など,組み合わせが膨大であり,最適解あるいは最適解に近い近似解を得るのに非常に時間がかかる問題を扱います。

【第3,4セメスタ】
人工知能の実応用例およびアプリ開発の学修

パターン認識系における人工知能の応用例の学習
自然言語処理/音声情報処理,先端医療情報学,ロボット,IoT,ゲームなどの実応用分野で人工知能理論や技術がどのように利活用されているのか,実応用の内部での処理方式の詳細も含めて講義します。
ビジネス系における人工知能の応用例の学習
金融工学(フィンテック),農業経営などビジネスにおけるビッグデータを活用した企業戦略の策定や新しい産業分野の創設などについて実例を通して学習します。

「ITU AI/ML in 5G Challenge」大会での発表が国内最優秀賞を受賞しました

通信ネットワークに機械学習を応用し実世界での課題を解決することを目的とした「ITU AI/ML in 5G Challenge」大会(2020年11月11日に開催)に参加した本学の教員と学生チームが,大会で発表を行い,日本国内上位3チームに選出されたうえ,最優秀賞を受賞しました。本学のチームは大会が提示した3つのテーマの中から,「リアルタイムストリーミングサービスにおける映像解析によるネットワーク状態推定」を選び,リアルタイムで機械学習を用いることで,ネットワーク状態(スループットとロス率)を推定しました。このテーマは,新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により,世界中でZoomなどウェブカメラを利用したテレワークシステムの利用が急増し,結果として極度の輻輳状態が発生している現代社会特有の課題解決に寄与しうるタイムリーなテーマです。機械学習は今や,社会のライフラインである通信ネットワークのあり方を左右するもので,今回の発表は,未来のネットワークに機械学習を適用する方法の1つを提案するものです。このモデルを用いて将来,通信速度の低下,通信の遅延対策の向上や通信システム自体の改善が実現できる可能性があり,今後の活用が期待されます。