メインコンテンツに移動

土持 ゲーリー 法一 教授

土持ゲーリー法一教授

土持 ゲーリー 法一 教授

大学教授法(ファカルティ・ディベロップメント),
比較教育学,戦後教育改革史,
教養教育の専門家

京都情報大学院大学(KCGI)の学生と授業を創ることが教育哲学(Teaching Philosophy)という土持ゲーリー法一教授。ティーチング・ポートフォリオ,ラーニング・ポートフォリオなどを研究テーマに,学習者中心の授業の創造するラーニング・コミュニティを形成しようとKCGIの学生に呼び掛けます。

先入観に囚われない自分らしさを見つけよう

学生の学びを「触媒」するのが教育本来の目的

‐先生の教育哲学について具体的に,それぞれの項目でご説明ください。

‐なぜ,先入観にとらわれてはいけないのでしょうか?

先入観にとらわれると柔軟で自由な発想ができなくなります。本学はIT,なかでもAIなど最先端の技術を学ぶ場ですので,創造性が問われるからです。

‐学習と学問の違いは?

これまでの学校の学びは受け身で,教わったことを習う「学習」に重点が置かれました。すなわち,学びでも「インプット」が強調されました。大学院での学びは,誰も教えてくれない,自ら問うて学ぶ場所になります。すなわち,「学問」という言葉の由来になります。問うて学ぶとは,社会人としての基本です。学びでの「アウトプット」が強調されることになります。

‐課題発見型学習とは?

これから社会では課題発見型学習が求められます。新しいものを創造するためには発見が必要です。発見するためには「問い」が不可欠です。ひとりで「問う」には限界があります。すなわち,グループ学習よりも,チーム学習が必要になります。これをTBLと呼び,PBLに代わって広まっています。

‐学習環境とは?

学びは学習環境で変わります。教員の仕事は,教えるだけはありません。教員はファシリテータでなければなりません。これは,教えることを「教育」と考えるか「エデュケーション」と考えるかの違いによります。前者が日本,後者がアメリカ的考えです。

‐リベラルアーツとは?

これは大学教育のエッセンスです。これまでリベラルアーツといえば,文系を連想しました。しかし,理系にこそ,リベラルアーツが必要であることが強調されるようになりました。たとえば,東京工業大学に新たにリベラルアーツセンターが設立され,元NHK記者の池上彰氏が教授に就任しました。これは,アメリカ東部の有名なMITも同じです。また,クリントン元国務長官の卒業校で,映画『モナリザスマイル』の舞台としても有名になったウェズリー・カレッジは,アメリカを代表する理系の女子大学で,リベラルアーツ・カレッジとしても有名です。私はここの「フレッシュマン・セミナー」を日本に紹介しました。

‐社会人基礎力とは?

大学や企業で頻繁に使用されている言葉に「社会人基礎力」があります。書籍も出版されています。この書籍の中でリベラルアーツの批判的思考力が社会人基礎力となるとして,私の授業実践が収録されています。

‐AIとは共存できるでしょうか?

2045年にAI(人工知能)が人間を凌駕する時代が来るとの報道を受けて,AIが人の職業を奪うのではないかとの危機感が漂っています。私立大学情報教育協会事務局の産学連携事業「大学教員の企業現場研修」で,ある大手電機メーカーの企業内教育研修に参加しました。この会社はAI技術でも最先端で,ドイツのメルケル首相(物理学博士号保持者)も訪問しています。ここではAIと「対峙」するのではなく,共存する必要性を強調していました。すなわち,科学技術と人間教育の一体化です。

‐学び方を学ぶとは?

MITでもウェズリー・カレッジでも重視しているのが,「学び方を学ぶ」という自律型学習を教えていることです。これがリベラルアーツ・カレッジのエッセンスです。

‐大社連携とは?

これは私の「造語」ですが,これからの大学や大学院は社会(企業)と連携する必要があります。そのためには自律型学習者の育成が求められます。

‐KCGグループの教育理念について

どの大学でもアドミッション・カリキュラム・ディプロマの3つのポリシーがあります。本学の母体である京都コンピュータ学院(KCG)の教育理念として,「コンピュータ技術における創造的能力の養成」「情報化社会における複眼視的思考力の養成」などが掲げられています。まさしく,理系と文系(リベラルアーツ)の一体化ということが言えます。

ITを駆使して未知の世界にチャレンジを

‐学生へのメッセージをお願いします

本学の学生は,誰よりも恵まれた学習環境にいます。なぜなら,ITの専門知識を身につけることが容易にでき,それを縦横無尽に駆使して,未知の世界に果敢にチャレンジできるからです。私の夢は,本学の学生とのコミュニケーションを大切にし,学習者中心の授業を一緒に「創り」あげる,ラーニング・コミュニティを形成することです。ぜひ私の夢の実現に力を貸してください。