メインコンテンツに移動

ネットワーク管理

概要

20世紀末から始まった急速なインターネット利活用の拡大で,情報ネットワーク技術者の活躍の場はますます広がり,従来型の情報通信産業だけではなく,製造,金融・保険,運輸・輸送,電子商取引,広告,娯楽など,我が国のみならずグローバル社会の経済活動の大部分に及んでいます。今後はさらにIoT,車を取り巻くCASE(Connected, Autonomous/Automated, Shared, Electric)技術,ビッグデータの利活用,VR・AR,生成型AIなどにおける情報の速やかで確実な送受信のために情報ネットワークの果たす役割がより一層重要になります。

ネットワーク管理者は,コンピュータネットワークやサーバシステムの構築,障害対応,維持管理を担い,ネットワーク障害が発生した際には,障害からの速やかな復旧やネットワーク上のデータの保全を行います。ネットワーク管理専門分野では,学生は上記の社会的要請に応えるべく,ネットワークシステムの設計・構築・運用技術や情報セキュリティの知識を身につけます。

目指す人材像

  • インターネットサービスの設計・運用・管理者
  • 企業の社内ネットワークおよび基幹業務システムのセキュリティ管理者
  • 各種サーバ環境(ウェブ,データベース,動画配信等)の構築・運用マネージャー
  • クラウドサービスやIoT機器などを含む多様なネットワークの統合支援コンサルタント
  • ネットワークを介したサーバ/クライアントシステムの開発・運用エンジニア

過去のマスタープロジェクトのテーマ

  • 公共交通ルート案内システムの開発
  • 情報セキュリティ事件への対応に関する一考察
  • 社会保障・税番号(マイナンバー)制度のセキュリティに関する考察
  • 一定距離内の人口の評価法に関する研究〜ポリゴンと円の共通部分面積を用いた手法の開発〜
  • 航空管制電波利用に関する考察
  • Kubernetesのセキュリティ強化のためのコンフィギュレーションの体系化
  • ディープラーニングによるホームネットワーク トラフィックのQoS制御の検討

マスタープロジェクト担当教員の声

内藤昭三教授

情報システムの構築・運用において,ネットワークとセキュリティは,相補的な車の両輪のようなものです。ネットワーク化により,情報システムの利便性は向上しますが,同時にセキュリティリスクも高まります。あらゆるモノがネットワーク化(IoT)されていく一方で,様々なサービスのネットワーク(クラウド)化も進んでいます。このようなサービス環境は,強固な情報セキュリティの上で実現できるものですが,現実には個人情報の漏洩など様々なセキュリティ事故がしばしば発生しています。理論および実践の両面でのバランスを取りながら,最新のネットワークおよび情報セキュリティ技術の修得にチャレンジしていただきたいと思います。

マスタープロジェクト担当教員の声

髙橋豊教授

Beyond 5G技術,エッジコンピューティングなど新しいネットワーク技術が急速に開発されつつありますが,これらの技術を知識として身につけるだけでは,次代を担う先端ネットワーク技術者にはなり得ません。これまでのネットワーク技術の体系を理解し,その開発途上における問題発見・解決プロセスの論理的考察を通して基礎力と応用力の涵養を図ることが重要です。このような観点から,情報通信ネットワーク,特に,インターネットの構成原理・機能を学び,有線・無線LAN, WAN, MAN, BAN, PANなどの種々のネットワーク・アーキテクチュア,さらに経路制御,フロー制御,輻輳制御などの制御技術を修得する必要があります。