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マスタープロジェクト

本学には,京都大学など日本を代表する大学における指導経験豊富な教員や世界第一線で活躍する教員が多く在職し,そのような教員からマスタープロジェクトの指導を直接受けることができます。

概要

本学のマスタープロジェクトは,ICTの実践的応用や技術活用に焦点を当て,学生自身の問題意識から課題の設定や分析および解決の提示へつなげることを目標とする必修科目です。学生が修得した専門分野や産業における知識やスキルを踏まえて課題を分析したり解決策を提示したりするために,具体的なツール(プラットフォーム,ソフトウェア,サービス,フレームワーク,ビジネスモデルなど)およびそのアプリケーションを使用することに焦点を当てます。

研究を基本とした従来の大学院修士課程の修士論文と比べて,新たな知の創造の研究はもちろんのこと,既存のツール等を活用し,それらを応用した実践的なプロジェクトをも修士論文としてまとめます。学生は自らの志向や希望に応じてテーマや実施方法を選択することが可能です。

マスタープロジェクトは学修の集大成として,学生がICTを実践的に応用して現実の社会や人々の生活をより良く改善していく契機となることを目指しています。

実施方法

マスタープロジェクトは,プロジェクトスポンサー(担当教員)による指導のもと,学生主体で進めていきます。専門技術を応用したプロジェクトだけでなく,より深い学術研究を行うことも可能です。教育分野の世界最高峰である米国のコロンビア大学をモデルにし,学生は学習に取り組む期間と内容によって,次の4タイプの中から1つを選ぶ,柔軟性を持った方法で取り組みます。

タイプ 1
マスターレポート
自分の専門分野の科目から1つを選んで履修するとともに,同科目に関係するテーマに取り組み,レポートを完成させます。
半年間で実施。
タイプ 2
マスタープロジェクト
学生が自由な発想でテーマを決定し,自らの志向に応じたプロジェクトを行います。
半年間で実施。
タイプ 3
オナーズマスタープロジェクト
より高度な内容または大きなテーマのプロジェクトを実施します。
学生が自ら決めたテーマで,時間をかけて取り組みます。
1年間で実施。
タイプ 4
オナーズマスター論文
世界の一流研究大学院と同等のレベルの修士論文作成を目指します。
学生が自ら決めたプロジェクトのテーマに,さらに深く時間をかけて取り組みます。
1年半をかけて実施。

マスタープロジェクトへの取り組みの例

専門分野
人工知能
プロジェクトタイトル
最適化した軽量CNNによる組織病理学的ながん検出(タイプ4:オナーズマスター論文)

第1セメスタ

ビッグデータに興味があり,基礎知識および専門知識を修得するため専門科目を幅広く履修。学修をすすめるうちに,人工知能に関するマスタープロジェクトに取り組みたいと思うようになる。アカデミックコーディネーターにオナーズマスター論文に取り組む意思を伝えて相談するとともに,準備として文献調査を開始。

第2セメスタ

文献調査を踏まえ,人工知能に関するテーマでインディペンデント・スタディに取り組む。その結果の一部をまとめ,学会で口頭発表を行った。マスタープロジェクト実施に必要な計画書の書き方などについて必修科目「プロジェクト基礎演習」で学び,研究計画書をまとめて提出。

第3セメスタ

学会で発表したテーマについて,特に実社会での応用面を重視して内容を拡張し,より深く取り組む。定期的にプロジェクトスポンサーに成果物を提出して進捗状況を報告し,アドバイスを受けながら,計画に基づきプロジェクトを進める。

第4セメスタ

中間発表での指摘を受け,実験内容の追加など計画の一部を見直し,新たな計画に従ってプロジェクトを進めて完成させる。報告書(論文)を提出し,マスタープロジェクト発表会(公聴会)で発表。プロジェクトの内容をまとめて学術論文誌へ投稿して掲載されたほか,グループ校である京都コンピュータ学院の学生を対象にしたプレゼンテーションの機会を得て発表を行った。