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塩原 孝弘

Takahiro Shiohara

経歴

  • 鳥取大学農学士,立命館大学大学院理工学研究科電子システム専攻博士課程後期課程修了,博士(工学)
  • 元パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社第二システム研究所 所長,同社戦略企画室参事,元TDK株式会社技術本部エネルギーデバイス開発センター 副センター長,同社技術本部Munich R&D Center センター長,同社品質保証本部技術部 部長
 

メッセージ

現代社会では,AIやグローバル化の進展により,単に専門知識だけでは対応できない複雑な問題が増えています。これらの技術の急速な進化と専門技術の高度化・複合化が進む中で,複雑な問題に対処するため,その問題の本質を捉えて適切に課題設定し,幅広い分野の知識を学び,その知識を課題解決に繋げられる総合的な能力を持った即戦力人材が求められています。 
AIの登場により,産業構造のみならず社会構造や価値観までもが,ドラスティックに変革する時代を迎えています。そのAIに期待するのは「効率化」と「イノベーション」の促進です。そして,生成AIの出現により専門知識がなくても誰もがAIを使える「AIの民主化」が進む一方で,生成AI利用はプライバシー侵害,公平性欠如など社会問題を引き起こします。ただ,薬にも毒にもなるAIを制御するのは人間の知恵であることは,言うまでもありません。大切なのは,我々がAIを過信することなく,道具として使いこなすことです。AIの精度を高めるためには,生成AIを使う側に,その特性を踏まえたプロンプトエンジニアリング技術の習得に加えて,「何を問いかけるのか」「何をどうしたいのか」という本質的な部分を明確にし,実現したいことを具体的に言語化するための業務知識やITの知見が求められます。さらに,生成AIにはハルシネーションと呼ばれる誤った情報が生成されるリスクや,著作権侵害につながるコンテンツを生み出すリスクがあるため,AIの生成物に対して情報源を確認し,その真偽を正しく確かめた上で判断し,必要に応じて対応できる知見が求められます。 
AI技術の急激な進化に戸惑い,未来の不透明な社会に対して,不安に思ったりすることもあるでしょう。しかし,まずは行動すること。失敗を恐れずにやり続けること。一心不乱に。失敗はその都度,振り返り,見直せばいいですから。皆さんが,本学でAI・データサイエンスなど幅広い知識を身につけ,課題解決に繋ぎ合わせることのできるプロフェッショナル人材として実社会で活躍できるように,企業での実務経験を交えた手触り感のある授業で,全力でサポートします。この社会の複雑な問題に立ち向かう,皆さんの失敗を恐れない勇気と行動にとても期待しています。

担当科目

  • 探索的データ解析と可視化
  • 生産システム工学
  • ロボットと人工知能
  • サイバーセキュリティ上級

専門分野

  • 人工知能・深層学習の社会実装
  • 物体認識・異常検知・状態推定
  • IoTセキュリティ,プライバシー保護

業績

論文

  • Takahiro Shiohara, Masahiro Fukui, “A Pin Assignment and Global Routing Algorithm for Floorplanning”, IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, Vol.E81-A, No.8, pp.1725-1732, 1998.
  • 塩原孝弘、内野学、福井正博, “ディープラーニングを用いた画像解析によるリチウムイオン電池における空隙情報の自動抽出方法の探索”, 電子情報通信学会和文論文誌C, J103-C, No.3, pp.143-152, 2020.
  • 塩原孝弘、福井正博, “統計的推定手法を併用した教師データの構築と転移学習に基づくLSTMによる残量推定の高効率高信頼化”, 電子情報通信学会和文論文誌B, J105-B, No.3, pp.96-105, 2022.
  • 塩原孝弘, “深層学習を活用したリチウムイオン蓄電池の状態推定技術に関する研究(博士論文)”, 立命館大学大学院理工学研究科, 2022年3月

開発実績

パナソニックグループでの主な実績

  • デジタルネットワーク関連ソフトウェア開発マネジメント
  • 品質マネジメントシステムおよび情報システムマネジメントシステム導入の統括マネジメント

TDKでの主な実績

  • ソフトウェア開発体制とソフトウェア開発プロセスを責任者として構築
  • エネルギー関連製品(EV電源、非接触給電、電池BMS、農業IoTなど)およびAIを用いてマテリアルズインフォマティクステーマの開発統括マネジメント
  • 欧州でミュンヘンR&Dセンターを設立し、責任者として欧州戦略への橋頭堡を構築
  • 工場のAIによる最終外観不良検査工程における不良品流出防止と歩留まり改善の技術統括マネジメント
  • IoT製品セキュリティ対応活動に関するPSIRTの立ち上げと技術統括マネジメント

講演

  • DJW(日独産業協会)(Asano Kai in Munich, Germany "ELECTRONICS AND ELECTRICAL COMPONENTS FOR E-MOBILITY AND SELF-DRIVING CARS - A JAPANESE COMPANY’S POINT OF VIEW", 14 Sep. 2017.
  • “サイバーセキュリティにおける産学連携の課題と展望”, 順天堂大学 浦安・日の出キャンパス開設記念シンポジウム基調講演(パネルディスカッション/パネラー), 2023年11月12日
  • TDKインターンシップ講演 “経営幹部技術リーダからのエンジニアの仕事理解”, 2016年2月29日

特許登録

  • 階層的配置配線システムの遅延解析方法(特許第2506909号), 1988年9月
  • ピン配置最適化方法とピン座標表現方法(特許第2595705号), 1989年8月
  • System for assigning positions of block terminals in a VLSI(US Patent:5404313), April 1995
  • 水温制御システム(特許第6555083号), 2015年8月
  • 農作業支援装置および農作業支援プログラム(特許第6524851号), 2015年2月
  • プラズマ発生器(特許第7124705号), 2017年11月
  • プラズマ発生装置(特許第6958213号), 2019年5月

その他(資格、委員活動)

  • 2015年度JEITA(電子情報技術産業協会)自動走行システム研究会委員
  • 2017年度DJW(日独産業協会)委員