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柴田 一成

Kazunari Shibata

経歴

  • 京都大学理学士,同大学院修士課程・博士課程修了(宇宙物理学専攻),理学博士
  • 京都大学名誉教授
  • 元京都大学大学院理学研究科附属天文台教授・台長
  • 一般財団法人花山宇宙文化財団 理事長,元日本天文学会 会長
 

メッセージ

物心ついた頃,手塚マンガに出てくる宇宙人に魅かれ,また,なぜ自分は生まれたのか?という謎への興味から,宇宙の研究者になりたいと思うようになりました。京大に入ったころ(1973年),数十億光年かなたの銀河の中心で途方もない大爆発が起きていることを知り,宇宙最大の謎の一つとも言える銀河中心爆発を一生のテーマにしようと思いました。しかし,あまりにも遠方なので生きている間には観測で解明するのは困難だろう,ならば理論で迫ろう,という戦略を立てました。

その頃,何も謎はないと思っていた太陽で,黒点の起源がまだ未解決だと知って驚愕しました。さらに,黒点の近くで時折フレアという爆発が起きていることも学びました。銀河中心爆発よりはるかに規模は小さいものの,性質は似ています。フレアでは磁場が重要であることはわかっているので,これがヒントになる!と考え,大学院(1977年~)で太陽フレアや天体電磁流体現象の研究(数値シミュレーション)を始めました。

1985年には,内田豊博士と共同で,銀河中心の降着円盤から高速ジェットが磁場の力で噴き出すことを,世界で初めてシミュレーションすることに成功しました。1991年に国立天文台に移り,ようこう太陽観測衛星プロジェクトに参加してからは,観測データ解析の研究も理論と並行して行うようになりました。1999年に京大に移ってからは,太陽フレアが引き起こす宇宙の嵐の予報,「宇宙天気予報」にも関わるようになります。

「太陽で起きうる最大のフレアの規模はどれくらいか?」という疑問から,1回生の学生諸君と2010年に始めた太陽型星のスーパーフレア研究は,驚くほど発展し,現在は世界的なブームを引き起こしています。その理由は,スーパーフレアが系外惑星のハビタビリティにも関係しているからです。ひょっとしたら,スーパーフレアのおかげで私たちは生まれたのかもしれません。ここに至って,物心ついた頃に抱いた自分の起源の謎につながり,わくわくする毎日を送っています。

専門分野

  • 太陽宇宙プラズマ物理学、宇宙電磁流体力学

業績(代表的な論文、引用数はNASA/ADS 2026年9月14日調べ)

  1. Living Review in Solar Physics ...8....6(2011) cited: 783
    Solar Flares: Magnetohydrodynamic Processes
    Shibata, Kazunari; Magara, Tetsuya
  2. PASJ...44 L.173(1992) cited: 638
    Observations of X-Ray Jets with the Yohkoh Soft X-Ray Telescope
    Shibata, Kazunari; Ishido, Yoshinori; Acton, Loren W. and 12 more
  3. Nature 485..478(2012) cited: 591
    Superflares on solar-type stars
    Maehara, Hiroyuki; Shibayama, Takuya; Notsu, Shota and 6 more
  4. ApJ...451 L..83(1995) cited: 562
    Hot-Plasma Ejections Associated with Compact-Loop Solar Flares
    Shibata, K.; Masuda, S.; Shimojo, M. and 5 more
  5. PASJ...37..515(1985) cited: 562
    Magnetodynamical Acceleration of CO and Optical Bipolar Flows from the Region of Star Formation
    Uchida, Y.; Shibata, K.