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IT声優コース学生がリモート演劇に挑戦

オンライン上で行われたゲネプロの様子
オンライン上で行われたゲネプロの様子

京都コンピュータ学院(KCG)情報処理科 IT声優コースでは現在,10人の学生たちが二つのグループに分かれ,今回の企画の提唱者である石倉美佳先生ら講師陣やTAの指導の下,遠隔会議用アプリZoomを利用したリモート演劇に挑んでいます。全国的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けての対応で,2020年7月28日に各メンバーが自宅などからZoom上の会議に参加し,ゲネプロ(通しリハーサル)が行われました。

学生たちが演じるのは作家・水谷健吾氏が今年発表し,YouTube等で公開・上演している『zoomの数字』(https://www.youtube.com/watch?v=jgDsflXrz2A)。リモート会議中の同僚5人が,ある都市伝説に巻き込まれていくストーリーで,人の心の裏が垣間見える10分強の物語です。今回,水谷氏にIT声優コースへの脚本の提供を快く承諾いただき,KCGでのリモート演劇企画が実現しました。

IT声優コースでは例年,スタジオ等に集まり発声・滑舌の練習から始めて,対面で稽古や役作りを進めていきますが,今年は入構制限などから,ほとんどのメンバーが実際に会うこともできないまま,オンライン上で練習を重ね,一つの芝居を作り上げました。講師の蓮井真弓先生は「社会に出たこともない学生たちが,社会人のリモート会議という設定の演劇を,実際の顔合わせも満足にできない中,しっかり形にしたことに驚いている。これもみな,学生一人一人がその意欲・素質を最大限に発揮してくれたからだと思う」と感心した様子でした。

ゲネプロに先立ち,蓮井先生が「脚本の考察・背景の理解が足りないと,演じる役になりきれず素のままの自分が出てしまう」「役の人物がどういう意図でセリフを言っているか,それを意識するかしないかで声や表情が変わる」と厳しく指導。学生たちはそれぞれの役の性格や場面ごとの心情などを一つ一つ丁寧に確認していました。その結果,ゲネプロでは,同一の役が,グループAでは気弱で頼りない人物として演じられる一方,グループBでは裏表のない明朗な人物として演じられるなど,ストーリーの解釈や役の演じ分けなどによって,全く異なる二つの劇を見るかのような効果を生み出していました。

7月31日には最終調整・本番収録が行われ,編集後,秋学期に学内で上映会が開かれる予定です。IT声優コース1年生小菅さんは「リモート演劇の経験は初めてで,Zoomだと画面が小さく,表情が見えづらいので練習も大変だった。ただ,リモートでのコミュニケーションだとかえって,お互いに意見なども言いやすく,とてもいい雰囲気の中,稽古ができたと思う」と振り返りました。同1年生冨阪さんは「リモート演劇には劇場に行くのとは異なる気軽さがある。上映会は『知らないやつが映ってるな』くらいの気持ちでぜひ楽しんで」と話していました。

IT声優コースはコンピュータ技術を駆使する声優の人材育成に向けて2014年4月に開設され,学生たちは発声・滑舌等基礎訓練に加え学校行事の司会,他科から依頼された作品のアフレコも担当。また,自分の声をデジタル化してコンピュータで加工する技術などIT関連の勉強にも励んでいます。昨年からは,東京の大手声優プロダクションが本学で出張オーディションを開催。卒業生数名が特待生として養成所に入所し,夢に向かって羽ばたいています。

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