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KCGコンピュータミュージアム所蔵のIBM360が大阪市立科学館の企画展に出展

大阪市立科学館の企画展「万博で夢見たサイエンス展」に展示されたKCGコンピュータミュージアムの大型コンピュータ「IBMシステム/360~Model40」=2024年12月4日,大阪市立科学館
大阪市立科学館の企画展「万博で夢見たサイエンス展」に展示されたKCGコンピュータミュージアムの大型コンピュータ「IBMシステム/360~Model40」=2024年12月4日,大阪市立科学館

京都コンピュータ学院(KCG)のKCGコンピュータミュージアムが所蔵する大型コンピュータ「IBMシステム/360 Model40」が,大阪市立科学館(北区)の企画展「万博で夢見たサイエンス展」の前期(2024年12月6日~2025年1月26日)に展示されることになりました。遠隔端末装置を電話回線経由で中央コンピュータに接続して通信するという画期的なシステムで当時人気を博した同機は1980年,KCG洛北校に実習機として導入され,本学院の最先端教育に活用されました。「Model40」が現存するのは日本国内では唯一ともいわれています。企画展での展示は,情報技術の急速な発展を知るうえで,注目を集めそうです。

企画展のコンセプトは「1970年大阪万博が描いた夢・未来・サイエンス」。同機の展示をKCGコンピュータミュージアムに依頼した理由を大阪市立科学館は「前回の大阪万博は,それまで専門家のためだけのものだったコンピュータを,自分で操作し,その威力を知り,コンピュータが身近にある未来を夢見ることができる場でした。その時期に使われていた大型コンピュータを,実物を交えて紹介し,1970年から現在までに,コンピュータがいかに身近なものになってきたかをご覧いただきたい」としています。

IBM360は,本体が幅84センチ,奥行き170センチ,高さ155センチのメインフレームコンピュータです。セラミック製の小さな基板にソリッドステート素子(トランジスタ),抵抗器,ダイオードなどを装着しているのが特徴で,それまで一般的だった各部品を個別に配線する方法に比べ,回路をコンパクトにすることができました。これはその後のコンピュータの設計に影響を与え続け,「史上最も成功したコンピュータ設計のひとつ」とされています。

KCGコンピュータミュージアムでは,日本最初のコンピュータ教育機関であるKCGが,創立以来60年以上の長きにわたって教育・実習・研究で使用してきた過去のコンピュータ等を保存・展示しています。「国内屈指の貴重な機器を多数保存している」との理由で2009年に社団法人(現在は一般社団法人)情報処理学会から「分散コンピュータ博物館」の全国第一号認定を受けました。また「TOSBAC‐3400」や「OKITAC-4300C システム」など7機種が「情報処理技術遺産」として認定されています。2011年にはKCGの長谷川靖子学院長に,同学会から感謝状が贈られました。KCG京都駅前校には,これら「情報処理技術遺産」認定機器のほかにも多くの貴重な過去の名機が展示され,日本の高度成長を支えた技術を間近で知ることができる場として見学者が多数訪れています。

企画展展示に向けKCGコンピュータミュージアムから搬出される「IBMシステム/360~Model40」=同,KCG京都駅前校
企画展展示に向けKCGコンピュータミュージアムから搬出される「IBMシステム/360~Model40」=同,KCG京都駅前校

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