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多川 響子

Kyoko Tagawa

経歴

  • 京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了,修士(音楽)
  • ドイツ ドレスデン・カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽大学卒業
  • 在独中にドイツ,ポーランドにて様々な演奏会に出演
 

メッセージ

私の専門はピアノであり,クラシック音楽です。私は3歳の頃から今に至るまでの40数年間ピアノという楽器と向き合い続け,音楽というものを追求してきました。

ピアノという楽器は弦をハンマーで叩き,その響きが空気を振動させて伝わる,きわめて原始的でアナログな「音」を奏でる楽器です。

私が人生をかけて学んできたことは,この「音」を「音楽」として紡ぐことです。

皆さんもご存じかと思いますが,バッハやモーツァルト,ベートーヴェン,ショパン,リストといった大作曲家は,デジタルの片鱗もなかった時代に生まれたクリエイターです。彼らは「音」を「音楽」として紡ぐ作品を生むことに長け,ピアノやありとあらゆるアナログな楽器を使って,悲しみや喜び,絶望や希望といった人間の内面や人々の情景を「音楽」という言葉で表現してきました。彼らが生み続けた作品は,当時の人はもちろんのこと,デジタルが満ち溢れる現在においても,世界中で人々に愛され続け,演奏され続け,聴衆を魅了し続けています。

音楽,とりわけこのようなクラシック音楽というものは,皆さんが向き合っているデジタルやITという世界からは一見かけ離れた存在と見えることでしょう。しかし,宇宙における万物の法則を解き明かそうとする物理学者が素粒子を研究しなければ前には進めないのと同じように,皆さんのようなデジタルの世界を極めようとする方は,アナログの美しさを知らなければならないのではないか,と私は考えます。

人間は文明を持ち出した頃から音楽と接してきたと言われています。クラシック音楽と一口に言っても定義が難しいですが,概ね1600年代以降の音楽を指します。作曲家たちが生きた時代においても,社会の情勢は日々移り変わり,アナログという範疇で作られる音楽も,実はどんどん発展し変化し続けてきたのです。

私はコンサートを通した演奏活動の中で,聴衆の方々と多くの感情を分かち合い,新たなものを感じあえる瞬間を大切にしてきました。本学の講義では生演奏で「音」と「音楽」を体感していただき,その名曲が生まれた背景,当時の世界情勢,歴史などの解説をあわせて,アナログであるクラシック音楽の神髄を皆さんに感じていただく予定です。

最も原始的で美しいと思われる「音」と「音楽」に触れることで,将来ITの世界で活躍される皆さまの豊かな発想力や想像力を養う一助になればと考えます。

担当科目

  • 音楽概論

専門分野

  • クラシック音楽・器楽(ピアノ)

業績

第9回宝塚ベガ音楽コンクール入選。
コントラバス奏者サンデル・スマランデスク氏と行ったデュオリサイタルに対し2002年度バロックザール賞受賞。
これまでに小原久幸,馬場和世,上野真,ペーター・レーゼル,田崎悦子の各氏に師事。
2009年~2011年,ベートーヴェン ピアノ ソナタ全曲演奏を達成し,日本経済新聞をはじめ各紙に取り上げられるなど大きな話題を呼んだ。
バロックから近現代の幅広いレパートリーをもち,ソロリサイタルを数多く行う他,オーケストラとの共演,室内楽など多方面で精力的に活動し,その活動は国内にとどまらず,ヨーロッパやアジアをはじめ国外でも行っている。

主な実績

ソロ

  • ベートーヴェン ピアノソナタ全曲演奏会(選帝侯ソナタ含む全35曲)
  • バッハ&バルトークの世界
  • ドイツロマンの旅
  • シューマンリサイタル
  • リストリサイタル
  • ショパンリサイタル

2009年より毎年,バロックから近現代までの幅広いプログラムによる演奏会を行う

室内楽

  • ベートーヴェン チェロ作品全曲演奏会
  • ギョーム・ルクー室内楽作品全曲演奏会
  • ピアノ三重奏曲,ピアノ四重奏曲,ピアノ五重奏曲

NHK交響楽団首席奏者,国内主要オーケストラコンサートマスターなどとの共演多数

ピアノ協奏曲

  • ブラショフフィルハーモニー,オラデアフィルハーモニー(ルーマニア)
  • 台湾OneSongOrchestra,アンサンブル神戸,ハーモニアス管弦楽団 等

CD

  • ベートーヴェン ピアノソナタ「悲愴」「熱情」
  • melodia1,2(ヴァイオリン珠玉の名曲集)
  • 琥珀1,2(ベートーヴェン,シューマン,ブラームス ヴァイオリンソナタ)