学校法人情報大学 京都情報大学院大学(KCGI)で学ぶカービンディさん=スリランカ出身=と指導教員のディン・ズイ・タイ准教授,岳五一教授が共著した論文が,2026年9月23-25日にキプロス・パフォスネアポリス大学パフォスで開催された第15回国際モデル・データエンジニアリング会議(The 15th International Conference on Model and Data Engineering=MEDI 2026)で,最優秀論文賞(Best Paper Award)に選出されました。論文は,ドイツのシュプリンガー社が発行しているコンピュータ科学分野の著名なブックシリーズ・Lecture Notes in Computer Science(LNCS)に掲載される予定です。
論文は,小児医療に関するオンライン口コミをAIによる感情分析と質的分析を組み合わせて解析し,星評価だけでは捉えにくい「受診体験」の特徴を可視化した研究結果をまとめた内容です。京都市内の小児医療関連施設110カ所に寄せられたGoogleマップの口コミ4,086件を対象に,5つのAIモデルによる感情分析と,質的データ分析ソフトウェア・MAXQDAを用いた質的分析を実施しました。
その結果,星評価と口コミ本文から読み取られる感情には強い関連が認められる一方,特に3つ星の口コミでは,肯定的・否定的な経験が複雑に併存することが明らかになりました。また,高評価の口コミでは,医療者の親切さ,専門性,安心感,診療への信頼,受診のしやすさが重視され,低評価では,対人対応,待ち時間や受診アクセス,診療内容や安全性への懸念が主な不満として示されました。
この研究は,オンライン口コミを単なる「星の数」ではなく,患者・家族が小児医療をどのように経験し,何を評価し,どのような点に課題を感じているのかを読み解く情報源として活用できる可能性を示したものです。AIによる大規模なテキスト分析と質的分析を組み合わせることで,小児医療サービスの改善につながる新たな評価・分析手法を提示しました。